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新着情報及びイベント情報等のお知らせ

故 尾崎 公子

「21世紀はこころの絆の時代、抱きしめた数だけ子どもは幸せになれる。」

私は、船場でうまれ、船場で育ち、今も船場で働く、生粋の“なにわ女”です。父は、長堀橋で、手広く金属雑貨輸出商を営み、過保護とも思えるほど、豊かな愛情に包まれ、成長しましたが、その中にあって「あいさつ」、「礼儀」、「他を思いやる」等々の心の躾だけは、幼くても厳しく教え込まれました。清水谷高等女学校を卒業した後、日本女子大学に在学した4年間のみ、大阪の地を離れましたが、こよなく「大阪」を愛し、誇りとしております。

家業のオーナーである主人と結婚してからは、船場のしきたりそのままに、家事育児に専念し、舅、姑にひたすら仕える主婦でした。ところが、体調を崩した夫が入院し、亡くなるまでの半年間、泊り込みで24時間主人に密着した日々の中で、夫の家業への情熱の激しさに驚き、主人=家業、に徹した姿勢に深い感動を受けました。私が取締役に就任したのは、亡夫の御霊を慰めたいとの思いからでした。長男が、3代目社長に就任し、私が取締役として出社して、はじめて経営の難しさ、責任の大きさを痛感し、改めて生前の夫の、滲む苦労を偲び、身の引き締まる思いでした。

 

一橋大学出身の長男は、ひたすら旧を排して改革・改善を目指そうとする。これに対して、昔からの古い商習慣に浸ってきた番頭たちは少しも動こうとしない。この両者の架け橋、調整役に私は徹しました。社内の和、運命共同体としての一体感、これなくして会社の存続は不可能であることを身に沁みて体得しました。

その後、大阪商工会議所女性会に入会し、数多くの“人生の先輩”に恵まれ、ふれあい励ましあう友情の深さをかみしめる想いです。推されて数々の役職も与えられ、すべてを自己の研磨剤と受容する教えをいただきました。

私は2人の男の子を育てる心構えとして、幼稚園までは実に厳しく「人間の基本」を教え込みました。親が「わがまま」と「個性」とを混同してしまった時、子供は大きな不幸を背負うことになると思います。幼いなりに、相手を思いやる気持ち、自分にしてほしくないことは決して他の人にしてはならない。人としての基盤を築くのは、家庭であり、親であり、とりわけ母親の一番の使命だと思います。まずは、子供を思いっきり抱きしめる、大好き!かけがえのない宝物だとの気持ちを一杯に通わせる。その上で折にふれて「誠実・感謝」を真剣に叩き込み、その子の人間的魅力を確実に築き上げていってほしい。親子の愛情と信頼が、かけがえない両翼ですね。

IT革命の急速な進歩による利便性とひきかえに、あたたかな心が日本中から消え去ろうとしています。手のひらの温もり、まなざしの優しさ、言葉の温かさ、傷ついた心を癒し、励まし、生きる勇気を与えることができるのは、人、人のみです。自らの心を全開し、懸命にひたむきにぶつかりあう親子、友人、社内のお互いでありたい。ここに日本の閉塞性をふきとばすエネルギーが湧出するのだと信じています。

20世紀のリッチは、お金と、モノでした。でも、21世紀のリッチはあたたかな心の絆、熱い友情を数多く持つ人こそが、真のリッチだと私は信じています。みずみずしい魂、強靭な信念を培うべく、1日1日を確かな足取りで進みたいと祈るや切なるものがあります。

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