HOME » 新着情報及びイベント情報等のお知らせ » 土居 年樹


新着情報及びイベント情報等のお知らせ

土居 年樹

「店に三声あり」

往年の商店街は賑やかだった。いや、ほんの40年前迄は、大晦日はどこの商店街も買い物客で溢れかえっていた。街商人(私の造語)は朝早くから店を開け昼食、夜食は店の奥で済ませ10時ごろまで働いていた。ひたすらお客さんの為に役立つ人生だった。

その頃「店に三声あり」と言われていたのは、1)赤ちゃんの泣き声、2)子供が本を読む声、3)いらっしゃいという店主の声であった。そこには家族が同居しながらもお父ちゃん、お母ちゃんは仕事一点張りで子供たちは放ったらかし。長男・長女が弟・妹の面倒を見ながら自然に自立心を身に着け責任感のある大人に育っていったものだ。

そんなお家の子供さんなら安心と大手企業が社員に迎えたという逸話まで生まれている。

その商店街が今や「消店街」になってしまった。いわゆる「シャッター通り」である。その理由(わけ)は流通の大きな革命にある。昭和32年に大阪・千林商店街に生まれた「主婦の店・ダイエー」に端を発したスーパーの出現、ロードサイドの巨大専門店の出店、その後に来た「コンビニ」と新手商人に商店街人は負けてしまった。たった、3~40年の間に何百年続いた商店街が姿を消す破目になり、街商人が企業商人に取って代わられたのである。

その結果、街はどうなったんだろう。

そこに住み、商いをし、街の見張り番として街守りをしてきた街商人が消えていった。そして街が崩壊していく。つまり日本の社会全体が壊れていくのだ。そして今まで安全・安心な日本に凶悪な犯罪が目立ち始めた。

「健全な街に犯罪は起こらない。」これが私の信条である。中心市街地を企業群だけに任していいのか、天神祭を始め多くの伝統文化を築き繋ぎ続けてきた街あきんどが消えていいのか?市民・府民の憩いの場、安らぎの場、ふれあいの場である商店街が無くなってもいいのか?

多くの問題を抱えた日本を救うのは往年の文化を取り戻す事に尽きるのではないか。今は文明が文化を駆逐する時代なのかも知れない。時計の針を逆さに廻して日本の良さを取り戻そう。こう思うのは私だけだろうか。

「街に惚れ、人に惚れ、店に惚れる」。こんな思いで天神橋筋商店街の復権に30年間励んできた街あきんどのつぶやきが次世代の浄化につながれば有難い事である。

こころのサポーター こころのパートナー

トップページへ